MARK > 物質の循環Ⅲ ケルン
物質の循環 ケルン2013.6.29(土)-7.14(日)

時間:12:00 - 18:00 / 定休日:月、火、水
会場:HIKE www.hike-shop.com / 作家:モリソン小林 www.specialsource.jp

途方もない時間の中で繰り返される命の役割と循環。いつかは朽ちゆく
金属や木材を用いて、モリソン小林による一瞬の果敢なさを表現した作品を展示、販売致します。
物質の循環Ⅰでは植物、Ⅱでは蝶を題材に表現してきましたが、今回彼が題材としたのは自然の中で
静かに佇む人為的な「ケルン」。その役割と循環とは・・・。

文:須摩光央

・・・ケルンは山頂に近づけば角がある岩石で、麓に近づけばまるい石ころで積まれたものになります。
おそらく、ケルンの年季の入り具合から察すると、
太古からそれを積み上げるという習慣が、人にはあったのだと思います。
一見、自然と一体になって、思考の入り込む余地などないように思えますが、
それらケルンには、独自の哲学と思想が感じられます。
ひとつひとつの石は、物質として存在している具象的なものですが、
積み上げられたそれは、精神の尊厳であり、物質としての仮象であるような、
抽象的なシンボルに僕には見えました。

自分が一番上に積んだものも、また誰かが上手に積み重ねていきます。
それでも人が積めるような小さな石は崩れ落ち、自然が積み重ねた大きな石は動きません。
所詮、人間ができることは限られているのかもしれません。

この都会では、僕らひとりひとりがそれぞれケルンなのかもしれません。
ひとつの目標、意志や理念に辿り着いたとき、そして向かうとき、
またケルンをひとつひとつ積み重ねていきます。
指標になるべく事象がどうあるかによって、人生の豊かさは変わってくるのかもしれません。

宇宙に近づくための羅針盤 ケルン
山や森の精霊たちが宿る ケルン
数々のドラマや輪廻を刻んだ 山の道標・・・

文:モリソン小林


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